あまく見られがちな著作権

あまく見られがちな著作権 コラム
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あまく見られがちな著作権

先日、とある朗読者さんのチャンネルが著作権侵害で停止されました。

その前から朗読者さんから事情は聞いていたんですが、証拠がないのであえて詳しい事情は差し控えます。

ただ、その後の視聴者さんたちを含め、前述の朗読者さんだけでなく、他の朗読をされている方も誤解しているなと感じたことを。

多分、人によっては誰の味方なんだとか、冷たいと思われるかもしれませんが、知識として伝えるのに感情的な要素を加えると、変に伝わってろくなことにならないので、あえて排除しています。

ネットにある作品は著作権フリーではない

これ、本当に思い込んでいる人たちが多いですが、ネットにあっても著作権が放棄されてるわけじゃありません。

この自分が書いている文章にも著作権は存在するし、Twitterのつぶやきですら著作権は存在します。

当然、絵や動画、商標なんかも著作権や商標権が存在します。

訴えられないのは単純に手間やコスパ、イメージの問題なだけだと思った方がいいくらい。

特にファンが楽しむたためだけの侵害には比較的寛容ですが、勝手にグッズ化したり、利益を得ようとする行為にはかなり厳しい対応をされます。

正規に取引している会社は細かく制限されたロイヤリティーを払っているのに、払ってない人たちが似たような商品を作っていたら、正規の取引相手は撤退しちゃいますからね。

極端な話、ネットにあったのにという理屈が通れば、YouTubeにあがっている動画を編集してアップしたら問題ないということになってしまいます。

でも、そんなことはないですよね。

商業化された作品やオリジナル、特定シリーズは注意

コロナで自粛が始まった頃、絵本の朗読が流行りましたが、あれも一悶着ありましたね。

基本的に事務所に所属している声優辺りは許可をとっているか、いわゆるパブリックドメインになっているものを読んでたんだと思います。

しかし、その真似で朗読している個人の人たちはほとんど許可をとっておらず、著作権侵害になったわけですね。

ガイドライン的には表紙のみ映っていて、内容がわかるあらすじ程度ならという噂もありますが、出版社によって違うのでそう聞いたのにというのは危険です。

また、当たり前ですが自分で創作したオリジナル作品は、その人の収入に影響を与える可能性が高いので、結構相手を本気で怒らせます。

裁判で訴えるとまでいかなかったとしても、YouTubeにアップしてたら著作権侵害の報告をするぐらいはされますし、確実に嫌われます。

場合によっては、ファンから攻撃されるようなことも。

他にも【営業のKさん】シリーズのように特定の人たちにだけ許可が出ているものもあります。

朗読者の136さんの話だと、136さんともうひとりだけなんだとか。

YouTubeにも複数人いるので、無許可の人がいるんでしょうね。

あ、例外としてごまだんごさんの読んだ【営業のKさん】シリーズは、竹書房からの案件なので、イレギュラーな許可案件です。

転載によって著作者がわからなくなる

また、ネットの場合、ややこしくするのが転載の問題で、本人の著作物が転載されることで、本来の著作者がわからなくなるというものもあります。

例えば、Twitterでよくパクツイと言われるつぶやきがありますよね。

元ネタを知っていれば、疑問に思うこともあるでしょうが、何かの拍子でバズったパクツイが数年前のネタだったら元ネタがわからないという人も少なくないと思います。

疑いはじめたらキリがないですが、怪談朗読用に投稿できるサイトに投稿されていたからと言って、それが勝手に転載されたものかもしれません。

もちろん、その場合は朗読者が悪いとはなりにくいですが、本来の著作者に求められたら削除するしかないでしょう。

事情を説明して、改めて許可を得るという方法もありますが。

その辺の対応を間違えると、反感を買ってホロライブのゲーム実況みたいなことになることもあるので注意。

怪談朗読でそんなことにはならないと思いますが1万件非公開処理なんてたまりませんね。

他のチャンネルにアップされたからと言って違法とは限らない

これも事情を知らないファンからしたら誤解が生まれやすい内容。

念のためにあらかじめ補足しておくと、前述の朗読者の動画をあげているチャンネルを擁護しているわけではありません。

契約にもよるんですが、動画の視聴回数に応じて報酬を支払われたり、動画を買い取って流したり等様々な契約があります。

そのため、契約書が大事になってくるんですが、依頼主と絵師がよく揉めることからもわかる通り、ちゃんと契約書を交わさない会社や人たちが多いです。

別に友人同士等で運営していて、ある程度なあなあでも構わないならそれでもかまいません。

ただ、相手が会社で初めてに近い企画でもない限り、契約書という形じゃないにしろ、形に残しましょう。

まだ信頼関係のない個人も同様です。

VTuberが出始めた頃、実績もないのにただでキャラクターのデザインをしてくださいとか、出世払いでお願いしますとか呆れるくらいに普通にいましたし。

出世払いもよく勘違いしている人たちがいますが、出世することで返すとか、出世しなかったら返さなくていいではありません。

法律上は出世したら返すか、出世の見込みがなかったら返す義務があります。

それで話を戻すと、買い切りの場合は動画を流す権利は買い手側にあるので、著作権の譲渡が含まれているのかが問題になりますが、基本的に買い手側のチャンネルに残ります。

ただ、動画の視聴回数での支払いの場合、契約が解除された場合の動画の権利を決めておかないと、契約解除されたのに動画から得られる収入だけ相手のものになんて自体になりかねません。、

どちらもVTuberのように動画の作成自体を運営側が行っている場合は起こりにくいですが、動画として納品している場合はビジネスとしてのつきあいしかないと起こりやすいし、大抵の場合は個人側が泣き寝入りになります。

個人的にはそういうことを文章として残したがらない相手とは仕事をしない方がいいと思います。

ちなみに口約束でも証明できれば契約としては有効です。

YouTubeは意外と著作権の侵害に厳しい

YouTubeには違法アップロードされた動画も多いので意外かもしれませんが、チャンネル所有者の著作権侵害には厳しいです。

具体的なことを書いて真似をされても困るので方法は省きますが、悪用されると潰したいチャンネルと潰せるレベル。

特に著作権侵害の報告を受けると、かなり面倒な事態になります。

それでも自分のミスであれば修正するなり、削除したり、誤解であれば異議申し立てでなんとかなります。

ただ、嫌がらせの場合は異議申し立てではなんともならないので、訴えるしかありません。

嫌がらせは全然知らない人とは限らないので、そういう時のためにも契約等はきちんと形として残しておきましょう。

ここまでのことを面倒くさいと思うのは自由ですが、YouTubeの場合は著作権違反はアカウント停止なので、関連チャンネルすべて停止します。

また、収益化を考えているのであれば、新しく作り直しても審査が通らないと思った方がよいので、本当に細心の注意を払ってください。

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