旧女鬼トンネル
熊野古道の伊勢路の難所であり、女鬼峠にあるトンネル。
現在は新女鬼トンネルが開通したことで必要がなくなっため、トンネルの両側は鉄板で封鎖して、立ち入り禁止となっています。
ある場所が破壊されていているため、中に入ろうと思えば入れますが、無許可で入れば当然言い訳ができない違法行為になるのでやめましょう。
起こると言われている怪異としては、ほとんどが女性の霊がらみ。
女性の霊を見たというのがほとんどで、特にこれといった別の噂は聞きません。
むしろ、女鬼峠に祀られている観音像との紐づけがされないことが意外なくらい。
トンネル内の空気が冷たいというのは、本来閉鎖されている石壁で囲まれた空ですから自然なことでしょうから、怪異ではないと思われます。
ただ、ここまで女性の霊に限定されるのは、女鬼トンネルの由来が大きい反映しているんでしょう。
由来の噂は大きく分けて4つあり、字面的にも恐ろしい女鬼を連想させるものとなっています。
鬼とは言っても、角の生えた鬼ではなく、中国のように霊のことを鬼と呼んでいるパターンが多い模様。
ひとつ目は人食い鬼の伝説で、観光案内等ではこの由来が紹介されているそう。
ただ、怪異の正体は鬼ではなく、鬼に喰い殺された女性の霊が目撃されたことで、女鬼と呼ばれるようになったとのこと。
ふたつ目は鬼婆説。
女鬼峠が姥捨て山で、口減らしで捨てられた老婆が鬼婆になり、女鬼と呼ばれるようになったという由来。
みっつ目は女性の罪人専用の処刑場だった説。
江戸時代に女鬼峠に女性の罪人専用の処刑場があったという話で、処刑された女性の霊が目撃されたというのが由来。
ただ、これも実際に処刑場があったのか、定かではありません。
最後にトンネル系のスポットではよく語られる人柱説。
トンネルの工事が難航したため、女性たちを人柱として生き埋めにしたが、完成した際に他の女性を食べて生き残っていた老婆がいたというもの。
ただ、これは完全に順序がおかしいので、作り話の類でしょう。
どの説にしても、女性いの念は強い由来ですね。
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