【ミスト】
ポスター画家のデヴィットは嵐の翌日、息子のビリー、隣人で弁護士のノートンとスーパーマーケットへと買い出しに出る。
会計をしていると、外からサイレンの音が聞こえ、なにやら慌しい様子が見てとれた。
やがて、ひとりの男がスーパーに飛び込んでくると、何かに怯えるようにして、扉を閉めるように促す。男の様子に住民たちが困惑していると、瞬く間に霧が周囲を飲み込んでいった。
血気盛んな男たち、懐疑的な弁護士ノートン、狂信的な女性ミセス・カーモディ、集団心理、見た事もない怪物による襲撃、隠された真実……様々なものが絡み合う中、デビットたちは生き残ることが出来るのか。
実は公開当時、昔あった【ザ・フォッグ】のリメイクだと思ってました。霧の中に何かいるというのは一緒でしたが、こちらはスティーブン・キングの小説に基づいてます。
ただ、よく特筆されている後味の悪さが定評のエンディング、事件の原因となる施設が原子力発電所から軍事施設に、スーパーマーケット内で情事にふけるのが主人公から別人に、怪物が大幅に変更、教祖化する女性の運命などが小説版とは変わっているようです。
すでに後味が悪いという評判を聞いてから観ていたせいもあるかもしれませんが、よくあるパターンだったので、それほど衝撃のエンディングではなかったです。ただ、確かにあそこまでして、これかと思うと監督か脚本家のドS振りには感服しました。
個人的には教祖化していくミセス・カーモディの方が不快感たっぷりです。というか、自分がその場にいたら、序盤で外に放り出すか、撃ち殺してそう。
それにしても、こういうパニック映画を観ていると、アメリカ人って馬鹿なのか? って不思議になります。
虫のような怪物に襲われた際、「電気消せ!」って言われてるそばから点けていく奴とか、自分に火つけちゃう奴とか、ストーリーの進行上必要なミスならわかるんですが、無駄死にというか、その無駄死にすら特に目立ちもしないという不思議さ。
なんか戦争になったら核ミサイル撃っちゃいそうな勢いです。
閉じ込められている人数があまりにも多過ぎて、何が何やらなんですが、ほとんどの人たちが流れに身を任せているという個人主義アメリカというのが嘘のよう。
それこそ主人公のデヴィッドを否定したかと思えば、今度は賛同、ノートンについたり、またデヴィッドについたり、不安になったらカーモディと一丸となったり大忙し。
ただ、そんな右にならえな人たちでもたくさんいれば厄介で、
頭がおかしい人がトップに立つと大変
だということを思い知らされる映画です。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(人によっては説教くさく感じるらしい)
コメント
時々まさか!って思う行動に出る人いますよね。ストーリーを盛り上げるためには必要なのかもしれないけど私なら殺人を見て後に霧の中に出て行く勇気はありません。