八甲田山
夏には登山、冬にはウインタースポーツで賑わう観光スポットとなる青森にある八甲田山。
【北野誠のおまえら行くな。】の青森編でも紹介されたので、それで知っている人も少なくない。
観光スポットとしても有名ですが、200人近くの犠牲者を出した『八甲田雪中行軍遭難事件』でも知られています。
『八甲田雪中行軍遭難事件』とは、1902年の1月に起きた事件で日清戦争の経験からロシアを仮想敵国として訓練をしていた部隊が遭難して、ほぼ全滅するという事件です。
冬山での訓練が過酷というのもありますが、計画があまりにもずさんで、人災と言ってもいいくらいの現代では考えられない訓練でした。
上層部に雪中行軍の経験者がおらず、装備が平野部での防寒クラス、天候の変化で気温は-20℃まで下がったため、隊員は次々と凍死していきます。
いまならガイドになるような人間が配属されるか、下調べをしていくのでしょうが、山岳部出身の隊員もおらず、雪山での遭難時の対処法もわからなかった様子。
行軍の目的地が温泉であり、訓練ということもあり、隊員たちにも緊張感は少なく、気づいた時には手遅れだったんでしょうね。
10人程度生き残った隊員も凍傷によって、四肢を切断したり等大変だったようです。
あまりにも大きな事件なので突出していますが、八甲田山はそれを除いてもわかっている範囲でも過去に200人は遭難しているとのこと。
そんな観光スポットとしての裏に凄惨な姿を持つ山なので、当然心霊的な噂も多い。
やはり雪中行軍のイメージが強いのか、大勢の人たちが一定のリズムで歩いている音が聴こえるとか、凍傷にかかったような姿の人間を見たというのが目立ちますね。
イメージが強過ぎて、関係ない地域でも不可解なものを見たら、八甲田の遭難に結び付ける人も少なくないです。
そんな噂の中でも強烈なのが雪中行軍遭難記念像をカップルが訪れ、女性がトイレに行っている間に男性が乗っている車を雪中行軍の軍隊に囲まれ、女性を置いたまま逃げ出してしまう。
そこからはバリエーションがあるんですが、地元の警察に助けを求めるが相手にされず、それでもしつこく迫り、警察と一緒に現場に戻ると女性が泡を吹いて気を失っている。
やがて目を覚ました女性は精神に異常をきたしていたという話。
中には男性が関東まで逃げたものの、友人たちに責められた結果、戻ってみると女性は精神に異常をきたしていたというパターンも。
どのパターンも女性が精神に異常をきたしていて、入院させられてしまうのが興味深い。
場合によっては病院名まで具体的なパターンまであるし。
正直、心霊スポットとしてよりも、『八甲田雪中行軍遭難事件』をモチーフにした映画の方が怖いと思います。
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