【PERFECT BLUE パーフェクト ブルー】

【PERFECT BLUE パーフェクト ブルー】

人気絶頂期にアイドル・グループから脱退し、女優に転身を図った美少女・未麻。ある日、彼女のもとに熱狂的ファンらしい人物から脅迫めいたFAXが届く。やがてその行為はエスカレートし、未麻は次第に身の危険を感じるが…。

allcinema ONLINEより。

犯人がわかっていても、間を開ければ何度観ても面白いサイコサスペンス。サイコサスペンスなので立て続けに観たら、さすがに厳しいでしょうけど。

【パプリカ】と同じく今敏監督作品なので、いわゆるアニメアニメした感じではなく、本格サスペンスになっています。

ストーリーはアイドルが人気絶頂期に女優になるためにグループを脱退した後、汚れ仕事というか、エロ仕事を受けていくことになると、周囲で殺人事件が起こり始めるというもの。

サイコサスペンスなので、当然ながら自分がやったのかという疑念を抱くようになるんですけどね。

実写でも出来なくはないですが、

アニメならではの仕掛けや表現方法が面白い。

軽くネタバレすると、特撮のように身軽な感じでスキップするように跳ぶ人物がショーウィンドウに映ると、必死に走っているシーンなんて感嘆させられます。

アイドルがヌードになることでストレスが溜まる状況なので、気にするほどではないですが、アダルトなシーンがありますし、レイプされるシーンの撮影もあるので、そういうのが苦手な人は面白さが半減するかもしれません。

実際、いまどきこんな都市伝説のような話はないと思われるかもしれませんが、作中のアイドルグループもそうですが、現実のアイドルも事務所によっては似通ったところもいまだにあるようです。

ひどいところだと、プロデュースにお金がかかったと言って、結果を出せないタレントに赤字補てんのためにエロ仕事をさせるとか、いまだにあるんだとか。

もっとも、いまどきは10代の時期にジュニアアイドルとして活動した結果、ジュニアじゃなくなり、特定の需要がなくなった段階で他の職業につけないなんて娘も少なくないですけどね。

そういえば、この作品のもうひとつの特徴が劇中ドラマの撮影と、プライベートがオーバーラップしていることで、当時にしてみたらかなり斬新な手法だったと思います。

いまではかなり練り込まれた作品も多いので目新しさを感じないかもしれませんが、未麻の周囲で起きている出来事の考察をドラマの中の刑事がしているかのような錯覚を抱かせる作りになっています。

見ようによっては、何が現実なのかわからなくなるレベルです。疑心暗鬼な見方をするほど惑わされるかも。

オススメ度（１０段階）……★★★★★★★★★
（絵を受け入れられるかとか、ありえないことを受け入れられるかの問題はあります）