貞子と並ぶJホラーのクイーン伽椰子の登場する2作目。時系列的には【呪怨(Vシネ版)】と同時期です。
そのため、前半部分は【呪怨(Vシネ版)】の佐伯家に様子を見にいった小林俊介のストーリーのダイジェストから始まります。
と言っても、いきなり【呪怨2(Vシネ版)】から観ると、何故そんな事になってしまったのか、背景がよくわからないんじゃないかと思います。
また、そこからは【呪怨(Vシネ版)】で殺された村上家に佐伯家を仲介した不動産屋鈴木の話がメインの展開へと移っていきます。
偶然なのか何なのか、呪われた家を内見した鈴木達也は、離婚して息子の信之と一緒にマンションに引っ越すんですが、そこがなんと小林夫妻の住んでいた部屋。
完全に呪いの拡散が始まってしまいました。
前作の村上家の惨劇は母親の典子も死んでることが新聞記事で判明。前作の刑事たちが捜査している様子です。
呪われた家は霊感があるらしい達也の妹響子が警告したにもかかわらず、新たに北田夫妻が引っ越してくるという事故物件とは思えない回転振り。
北田家の話はかなりあっさりで、鈴木家は達也親子、響子、呪いの家に行ってないにもかかわらず、呪われた響子が来たせいか、両親も呪われてしまいます。
小林夫妻が住んでいて、もう一つの惨劇の舞台だった達也の部屋で見えたビジョンもそれなりに怖いんですが、鈴木家がいきなりおかしくなっていく光景が怖いです。
すでに響子は赤ん坊のように人形を抱いている状況だったんですが、母親が恐怖のあまりなのかおかしくなっていて、父親がその光景に驚き、逃げ惑うんですよね。
それより前に父親が厳格で強いという印象を与えるシーンがあるだけに、余計に怖い。
ちなみにこのシーン、意外と気づいてない人が多いんですが、飾られている先祖の位牌がすべて伽椰子に変わっているという芸の細かさを見せてくれています。
しかも、父親は別に気づいていないのにです。一応、わかるように撮られているんですが、多分父親が恐怖におののいているのをアップにしたんだと思われちゃうんでしょうね。
逆に言えば、鈴木家のシーンと、北田家の朝食シーン以外は伽椰子が出過ぎていて、清水崇の思惑通り、笑ってしまいます。
刑事のでんでんがおかしくなって、相棒の諏訪太郎が襲われるシーンなんて、若い刑事が話してる横で、伽椰子が普通にドアから入っていくのが見えてるし。
クライマックスでは学校にいた信之が襲われるんですが、もう
ギャグとしか思えません。
何人もの伽椰子が雨の中、ゆらゆら揺れながら立っているシーンとか、思わず【ムーミン】に出てくるニョロニョロかと思ってしまいました。
ちなみに、この学校で信之と話す4人の生徒のうちのひとりは市原隼人だったりします。前作の栗山千明同様、ちょい役なのが時代を感じさせます。
そして、ラストで音声だけ登場する廃屋となった旧佐伯家に入り込む女子高生たちのストーリーは、劇場版で描かれることに。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(ホラーもやり過ぎると笑いになるという典型を狙って成功している珍しい作品)
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