小学校3年生の学級担任になった結衣(佐々木希)は、不登校の生徒・佐伯俊雄の自宅に行ってから、理解不能な現象に悩まされていた。
その家ではかつて凄惨(せいさん)な出来事が起きており、関わった者全員が亡くなるという呪われた場所だった。
結衣は吸い寄せられるように、再び佐伯家に向かい……。
シネマトゥデイより。
てっきりいままでの【呪怨】シリーズのビギニングものと思ったら、ビデオ版をメインにリブートした作品でした。
ただ相変わらず、時系列がバラバラなことに変わりはない上、シリーズを把握している人は逆に困惑すると思います。
そのため、今回はネタバレしまくりです。嫌な人は見ない方が楽しめると思います。もしくは観てから読んでみてください。
大きく分けて、時系列は3つ。19年前の山賀家の餓死事件、10年前の女子高生たちと佐伯家、現在の結衣と直人に分かれると思います。
そうは言っても、19年前の事件は軽く描かれるだけで、1パートもないんですけどね。
トリンドル玲奈演じる七海たちの話は、肝試しに呪われた家に入る女子高生たちの話。
過去作品での市川由衣演じる千春たちのポジションになるんですが、それぞれが別の人物と組み合わされた感じになっているようです。
葵は【呪怨(Vシネ版)】の村上柑菜、姉の方は【呪怨2(Vシネ版)】で家を仲介した鈴木兄妹を合わせたようなポジション。
莉奈は【呪怨】のいづみが近いですかね。ちなみにこの莉奈を演じている金澤美穂は、【容疑者Xの献身】に出てくる娘だったりします。
弥生はバスケ部員なので、体育館で練習を見ているシーンが【怪談新耳袋】の『姿見』や、【呪怨 白い老女】に出てきた体育館で、老女が出てくるのを期待したんですけどね。
でも、よく考えたら、本作品の時点では老女がいないんでしょうね。
結局、女子高生たちと葵の姉は呪われてしまうんですが、何故か無事な袴田吉彦が不思議でたまりません。さすが【むこうぶち】の傀は違います。
ただ、七海の襲われ方に関しては、笑うところなのかもしれないと思っちゃいました。。
で、その七海が襲われた後、佐伯夫妻がこの家を買うんですが、キャストが変わっていたためにしばらくピンと来ませんでした。
ちなみにこの
新しい伽椰子は【アナと雪の女王】の王妃の吹き替えをしている
最所美咲です。
どっちを先に観るかにもよりますが、イメージぶち壊しです。
また、ここで時間軸に捻じれが生じていていると思うんですが、七海が呪われた家で襲われたのは葵より後のはずなのに、葵の姉が生きています。
もしかしたら、別のタイミングで死んだという可能性もなくはないですが。
そして、メインとなる臨時教師の結衣のパートに関しては、もう全編がいろんな意味で怖いです。
臨時なのは前任の小西先生が辞めてしまったためなんですが、小林俊介ではなく、小西という別の先生に変わっていました。
俊雄の様子を見に訪問すると、生前のような伽椰子が現われ、結衣と会話したかと思うと姿が消えます。
仕方なくと言っていいのか、勝手に家に上がり込み、俊雄を探していると、背後に伽椰子。
ちなみに生前のと書いていますが、過去作品の回想に出てくる生気のある普通の主婦ではなく、どう見ても病んだ感じ。
現実に至近距離にこんな人がいたら、不安でたまりません。
伽椰子はお茶が入ったことを伝えにきたと言うんですが、湯呑みは飲んだ後のように空っぽ。底も汚いです。
奥の部屋に座っている伽椰子に近付くと、変な姿勢で結衣を睨みながら、ノートにグルグルを書いてます。このシーンが作品中で一番怖い気がします。
また、脚本家志望の恋人である直人は、結衣の様子がおかしいと感じ、佐伯家のことを調べると、19年前の虐待死事件にたどり着きます。
山賀家の俊雄という少年が義父に暴行されたあげく、押入で餓死する事件で、オープニングの部分に当たる部分。
その呪われた家がいわくつきと知りながら越してきた佐伯家ですが、剛雄は出張続きな上、子供が出来ず、伽椰子はノイローゼになっていきます。
その心の隙を突かれたのか、伽椰子は山賀俊雄の霊に憑りつかれ、佐伯俊雄として出産。
自分に懐かない俊雄が自分の子ではないと知った剛雄は爆発。伽椰子、俊雄、猫を殺します。
この辺り、過去作と設定がかなり変わっているので、新鮮な気持ちで見れる反面、シリーズがつながっていると思っていると、わけがわからないと思います。
過去作では伽椰子が小林俊介に執着していたため、剛雄が妄想日記を見て勘違い。伽椰子を殺します。俊雄は作品によって、溺死だったり、押入に隠れてる間に伽椰子が異次元に連れ去ったりと変わっているようです。
しかし、本作では小林俊介の要素がなくなり、子供が欲しい伽椰子と、元凶であり、再度産まれたい俊雄の『呪怨』ということになっている様子。
直人は『呪われた家』について調べた結果、呪われてしまい、佐伯俊雄と山賀俊雄が瓜二つと知ってしまい、殺されてしまいます。
過去作を観ていると勘違いしそうですが、女子高生たちを殺している段階では、伽椰子はまだ人間なので、殺したり、連れ去っているのは山賀俊雄の仕業です。
伽椰子が参戦するのは、女子高生たちの後、自分が剛雄に殺されてからなので、実は山賀俊雄の方が伽椰子より残忍なんでしょうね。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(シリーズとして観ちゃうから低評価多いわけで、リブートした単体の作品としては充分良い作品です。)
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