【DEATH NOTE デスノート】

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「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」と記されたノートを拾った夜神月(藤原竜也)は、興味本位で他人の名前をノートに書き込んでしまう。

その名前の人間の死を目の当たりにし、最初は恐怖を覚えた月だったが、やがて理想的な世の中を作るべく凶悪犯たちの名前を次々とノートに書き始める。

シネマトゥデイより。

人の死を操れる死神のノート『デスノート』を手に入れた青年が、『正義』のため、法で裁かれない『悪』を『デスノート』で殺していきます。

しかし、凶悪犯たちの不審な死が続いたことで警察も動き出し、『デスノート』を使う『キラ』と、『L』、『警察』、『FBI』の駆け引きが行われていくことに。

原作の漫画の方がわかりやすいんですが、『キラ』である夜神月は『デスノート』が本物であることに恐怖を感じながらも、凶悪犯の名前を書き続けることに快感のようなものを覚えて行きます。

ただ、警察が事件に気がつき、『L』が介入する頃には顔つきが変わる程に慢心して、自分が『正義』のように思い込んでいくんですよね。

自分の邪魔をする人間は『悪』であるかのように、自分の目的のためなら凶悪犯ではない人間まで殺していくようになってしまいます。

原作漫画では流れがあるのでまだいいんですが、実写映像だと、どうしても漫画の数話分が1つのチャプターくらいになってしまうため、凶悪犯を裁く時間が凄く短いです。

駆け引きがメインとなる作品なのでしょうがないんですけど、理想のために始めたはずが、気がついたら悪になっていたという印象ではなく、ただのサイコキラーという印象しかありません。

自分の目的のためなら、警察の幹部である父親や、彼女をも利用するし。

また、実写になったことでのデメリットとして、

駆け引きの内面描写がほとんどなくなってしまっている

のが厳しい。

登場人物同士がモノローグのように思考を語ってしまうと、実写の場合はかなりうっとうしいせいがあるんでしょうが、この作品の場合、相手の思考が描かれないと実質的に内容が半分になってしまうので。

結果として、ギリギリの綱渡りを月が悪魔的な頭脳で乗り切っているというより、相手が間抜け過ぎるだけに見えてしまっています。

特に原作漫画ではかなり苦労することになるナオミ戦。FBIの捜査官だった婚約者ベンバーを殺されて、『キラ』への復讐に走ります。頭脳だけで言えば、『L』を上回るかもしれない人物で、実際、『L』より先に『キラ』の正体に近づいてました。

原作漫画では繊細な駆け引きの結果、月に心を許してしまい、本名を知った月に操られてしまいます。

それが実写版では前半の区切りとなったせいか、攻撃的な人物となり、「なんだ、それ」という方法で本名を手に入れられてしまうという残念な人に。

【デスノート】らしい頭脳戦というよりは、【カイジ】のような力技としか言いようがありません。

まあ、そうは言っても【デスノート】の映画としては良く出きていて、死神のリュークはバリバリのCGですが、なんか可愛いし。声をあててるのが中村獅堂というのも面白い。

主な出番は後編の戸田エリカの若い頃の闇歴史みたいな料理番組や、痛車かと言わんばかりのラッピングバスなんていうのも、ある意味見どころです。

ちなみに、このラッピングバスがバスジャックされるんですが、その運転手が田中要次。このバスジャックが原因でタクシーの運転手になって、スピンオフの【L change the WorLd】に登場しています。

全体的にやっつけ感が否めないですが、意外といま観ても楽しめるんじゃないかと思います。

オススメ度(10段階)……★★★★★★
(前編では松山ケンイチ演じる『L』の見せ場はほとんどありません)

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