人里離れた山の中で、自主映画の撮影クルーがゾンビ映画の撮影を行っている。
リアリティーを求める監督の要求はエスカレートし、なかなかOKの声はかからず、テイク数は42を数えていた。
その時、彼らは本物のゾンビの襲撃を受け、大興奮した監督がカメラを回し続ける一方、撮影クルーは次々とゾンビ化していき……。
シネマトゥデイより。
2018年にスマッシュヒットしたホラーコメディ。
今回はネタバレありです。というか、ネタバレしないと、まともに紹介できないタイプの作品。
個人的に上映前はB級ゾンビ映画として推していましたが、実際はコメディです。
正直な話、展開は察していたので、ホラーとして推すのはどうかなと思ったんですが、ゾンビを扱っていることに代わりはないので、そのまま紹介してました。
ストーリーは2段構え、厳密には3段構えで、あらすじに書かれているゾンビ映画の撮影が前半。
劇中劇としてゾンビ映画を撮影していたはずが、その役者やスタッフたちが本当にゾンビに襲われるという展開なんですが、それも劇中劇。
ゾンビ映画を撮っているスタッフたちが襲われるというドラマを撮影していたというのが本当のストーリー。
前半が終わった段階でクレジットが流れ、実はそれが前述の通りの状況だったということがわかります。
後半は前半の撮影がどのように行われていたのかが描かれていくんですが、そこからが完全にコメディ。
前半がホラー、後半がコメディという意味で、ホラーコメディです。
役者たちは曲者揃い、製作側もクセの強いキャラばかり。
やたら意識の高い主演男優、演技が下手な女優、アル中の中年男優、メガネ、やたら細かいことにこだわる男優たちを使って撮るのは、生中継1カットという無茶なゾンビドラマ。
しかも、とある事情で監督が監督役に、監督の妻で元女優の女性までドラマに参加するハメに。
アクシデントだらけの生中継ドラマはどうなってしまうのかという展開。
前半であまりにも不自然で、なんなんだろうと思うシーンが多々あるんですが、何故そんなことになっているのかも後半で判明します。
前半のグダグダ振りの理由がわかるので、それなりに納得はいくんですが、思った以上に観る人を選ぶ作品だと思います。
はっきり言ってしまうと、
舞台演劇や、映画撮影等に興味がないと、本当にただのドタバタコメディ。
系統としては、【サマータイムマシン・ブルース】や、【曲がれ! スプーン】、【スペーストラベラーズ】辺りを好きな人なら楽しめると思います。
ただ、それらの作品と比べて、1ランク2ランク落ちるという印象ですが。
同じ監督の【お米とおっぱい。】も、【12人の優しい日本人】の劣化版としか感じませんし。
本作中の本当の主人公である日暮の売り文句が、『早い安いそれなり』なんですが、本作の監督である上田慎一郎もそうなのかと思ってしまいました。
あとは、登場人物の名前がキャストの名前をモジっていることくらいが特徴ですかね。
オススメ度(10段階)……★★★★★★
(面白いことは面白い。)
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