今回は隣人とのトラブルが問題となっている作品。隣人が旦那を呪殺しているので、オカルトといえなくもないですが、基本的にはカルト教団ネタ。
また、これ見よがしのヒントが多いため、各解析サイトの解説がカオスな感じになっています。メジャーな解析サイトすら、細部ではいまいち納得しづらい推測が展開されています。
森下家は隣人の奥さんに嫌がらせを受けていて、ゴミを放り込まれたり、薬品か何かを撒かれ、家庭菜園を枯らされたりしている。
また、隣人であるUの家からは狂言『鎌腹』が大音量で流されていて、それも騒音となっている
ちなみに『鎌腹』とは以下のような話。
鎌を結び付けた棒を振り上げた妻に追われている太郎。仲裁人が訳を聞くと、夫がちっとも仕事をしないからだという。
そんな自分にほとほと嫌気がさした太郎は、女房への面当てにいっそ鎌で死んでやろうとするが、生来の臆病で死にきれないでいた。
聞きつけた妻が駆けつけ、「あなたが死んだら私も生きてはいない」と思い留まらせようとすると、一転「自分が死んだあとに死ぬ覚悟があるなら、いまここで自分の代わりに死んでくれぬか」と言い出す始末。
結局、死ぬに死に切れず、さらに妻を怒らせるという話。
森下家の門には中傷する貼紙がビッシリと貼られ、内容は以下の通り。
- 『毒』
- 『死』
- 『懺悔セヨ』
- 『×』
- 『呪われている』
- 『神の天罰を』
- 『裏切り者に死を』
- 『悪魔』
息子の元気は昆虫好きで、中でも蟷螂が好き。理由は鎌がかっこいいから。
森下家の夫である仁は商社の営業マンで、朝早く出て、帰りも遅いため、ほとんど家にいない。トラブルについても、ほとんど把握していない。
仁へのインタビュー中、キッチンの窓が割られるのだが、よく見ると、破片が内側に落ちておらず、外からではなく、明らかに中から割られている。
にもかかわらず、妻の利香子は何かが飛び込んできてというが、何も落ちていない。
その直後、電話が鳴るが、元気が出ると切れてしまう。
Uは森下家が引っ越してくる2000年より前から住んでいて、引越し後、利香子とUは一緒に買い物するほどの仲だった。
しかし、1年後、Uの夫が死んでから、Uの様子がおかしくなる。お茶会に誘われた利香子が行くと、宗教の勧誘で気持ち悪くなって帰ったらしい。
また、お布施があまりにも高額だったため、森下家が断ると、Uの態度が豹変して、嫌がらせをしてくるようになる。
仁はなんだかんだ言って、自分が解決をしたくない様子。この辺り、『鎌腹』の主人公である太郎のような印象を受ける。
利香子の要望で監視カメラを設置すると、カメラの位置を知っているかのようなベストポジションで嫌がらせをするU。
さらに自宅の2階から火のついたタバコを森下家に投げ込み、宙で『×』を描くような動きを見せるU。
取材スタッフが話を聞きに行くと、いきなり水をかけるなど、異常さをアピール。
そんなUも昔は気さくだったが、拝んで呪い殺すという噂のある宗教にハマってしまい、コーヒー好きのUの夫は、喫茶店で辞めて欲しいとこぼしていたらしい。
心不全で亡くなったというUの夫も、Uに呪い殺されたのではという噂もある様子。
後日、渋々取材を受けたUの話では、森下家は呪われていて、夫の仁は会社で不倫していて、利香子はそれを憎んでいるらしい。Uがそれを知っているのは、以前利香子に相談をされたため。
その際、浮気は清算したはずなのだが、実は浮気は現在も続いている。最後に流れるヒントの中で、監視カメラに映る仁と浮気相手の抱き合う姿があります。
取材を受けている部屋には仏壇があり、そこには『×』の文字。どうやら件の宗教団体は、『×』がシンボルマークのよう。
そして、Uは何故か森下家を悪魔と思い込んでおり、夫もそのせいで死んだと思っている。この辺がよくわからないんですが、宗教から脱して欲しがるUの夫を殺したことと、森下家が引っ越してきたことに因果関係があるんだか、ないんだか。
コーヒーカップがアップになるのは、後の推測のためのただのヒント。
監視カメラ等の証拠があるので、面倒を嫌がる仁が警察に相談に行こうとすると、利香子は直接話しに行こうと言い出す。
どうやら、警察に行くと、夫の不倫のことを話すことになるのが嫌で、こういう状況になったのも夫の不倫が原因だと思っているらしく、激しく感情的になっていく。
その後、話し合いに行く朝、朝食のテーブルにはU家の仏壇にあったのと同じコーヒーカップ。元気がふざけてこぼしてしまい、飲まずに行こうとする仁に、わざわざ淹れ直すという利香子。
結局、口をつけずに話し合いに行くと、拍子抜けするくらい話が上手くいったらしい。
その取材に前後して、元気はつがいの蟷螂を見ながら、スケッチブックに何かを描いている。スケッチブックをよく見ると、描き続けているのはいくつもの『×』。ちなみに蟷螂は交尾中。
また、その際に仁の携帯に電話がかかってきて退出。携帯を見た仁は、一瞬変な表情で利香子を見た後、電話をしながら外へ出て行く。明らかに不審。
最後のヒントの際に推測できるのですが、どうやら電話の相手は浮気相手で、窓が割られた際に元気がとって切れた電話も浮気相手と思われます。一見、Uからの電話に思えますが、窓を割っているのが実際は利香子なので、それは考えづらいです。
ここで取材は終了すると思ったが、後日、Uにもらったドーナツを食べた元気が腹痛を起こし、スタッフが呼ばれる。
取材を再開すると、利香子は仁が浮気をしていることを責め立て、Uと話をしに行けという。
いたたまれなくなった仁は、例のコーヒーカップのコーヒーを飲み干すとU家に行くが、Uは突然呪文を唱えだし、会話にならない。
すると、仁は突然苦しみ出し、病院に運ばれるが、心不全で亡くなってしまう。
倒れた仁を見たスタッフが救急車を呼びに行く際の見切れ『森下家の2階で親子揃って、宙に『×』を描く利香子と元気』。元気は腹痛で倒れてたはず……。
医師は糖尿病や高脂血症が多いが、仁は糖尿病ではなく、ストレス等が原因かもしれないという。スタッフに毒の可能性を問われるが、それはないという。だが、医師の背後の額縁には『×』の文字が。
ちなみにこの病院、【放送禁止2 ある呪われた大家族】で、梨枝が運ばれた病院。そう考えると、実はあのお母さんもこの宗教に入信していたのかもw
小ネタではありますが、【着信アリ】、【呪怨】でも撮影に使われています。
それから3週間後、マンションに引っ越した森下親子。蟷螂は大きい方が小さい方を食べてしまったらしい。ちなみに蟷螂はメスが大きく、オスが小さく、交尾後、メスがオスを食べてしまう。
利香子に呼ばれ、立ち去った元気の背後の窓際に『×』の文字が飾られている。案外気づかれていないんですが、その前の利香子のインタビュー中も、消えているテレビに反対側の壁に飾られている『×』が映りこんでいます。
結局、浮気を許せない利香子が『×』狂に入信し、Uに嫌がらせを受けているという狂言で、夫を毒殺するという話なんでしょうね。
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