【幽霊より怖い話 VOL.3】
『自殺未遂』
自殺しようとしていたところへ通りがかった警官たちに保護された女性だったが、何故か山奥の廃校へと連れて行かれる。
警官たちの謎の行動はなんなのかという話。
ないとは言い切れないけど、相当な確率だよなという展開。警官ひとりとか、実は偽警官とかならありそうなんですけどね。
もっとも、観ている段階では警官ふたりとも何かおかしいと思うだけで、展開がどう転ぶかわからないので地味に面白い。
都市伝説的にはありそうな怖い話でした。
『経理女』
職場の上司と不倫をしている女性が『経理女』のハンドルネームでネット掲示板に投稿をしていた。
知り合いに相談出来るような内容ではないため、ネット掲示板に書き込む事で気持ちを発散させるために行っていたのだが、そんなある日、会社に上司の不倫についてのファックスが届いてしまう。
結果、上司は会社を辞めることになり、女性は平凡な日々へと戻っていた。しかし、事態は彼女が知らないところで着実に進行しているのだったという話。
もっとも現実味のある話。現実の世界でもTwitterやLINE等のSNSでつぶやいたことから炎上し、個人情報が次々と調べ上げられ、それが悪意のある人間に利用されるなんてことありますよね。
本人たちは正義と言い張ってますが、中にはその晒す行為や、相手の勤務先等に抗議の電話をしまくったりとか、はっきり言えば犯罪です。そこに悪意がないとは思えません。
この話の中では正義どころか、ネットを媒介として作戦行動になっていて、追い込み振りが半端ない。
もっとも、作品中では実際に不倫はしていたのでしょうがないですが、スマイリー菊地みたいに嘘で殺人の共犯にしたてられ、それを信じられた結果、追い込まれるのはたまらないよなって思います。
スマイリー菊地の件では虚偽の書き込みをしていたのは会社員や公務員、学生で反省して謝罪するので許して欲しいと言いながら、結局謝罪に来た人間は誰もいないという結果だったそう。
Twitterでのアルバイトのイタズラについてもそうですが、相手を追い込むなら自分も追い込まれる覚悟が必要だと思わないといけないと思います。
掲示板へのコメントは感想でしかないのでともかく、自分が被害に遭うわけでもないのに電話で何度も抗議するとか、ただの威力業務妨害ですからね。
『復讐』
ラジコンショップで働きながら、つつましく暮らしていた青年が、万引きをした少年を捕まえたことから襲われる恐怖。
いわゆる逆恨み系なんですが、完全に不条理。万引きしたことで人生を狂わされたから、青年の人生も狂わせてやるという流れなんですが、青年は見逃そうとしていたのに、店長が見逃させなかっただけなんですよね。
逆恨みするにも、店長に逆恨みするべきなんじゃないのかと思うんですよね。
万引きでの逆恨みじゃないですが、なんとなく光市母子殺害事件を思い出しちゃいました。あの事件も一歩間違えば、こんな展開になったかもなという印象。
もちろん、描写的にはフィクションなのでこの作品の方がえげつないというか、狂気に富んでますが、光市母子殺害事件もそうとう狂気に満ち溢れてましたよね。
死体と性行為した理由が小説の【魔界転生】とか、ドラえもんに助けてもらおうと思ったとか、弁護士がバカな戦略を講じたのも印象に残ってますが。
でも、日本の何が恐ろしいってこういう事件で死刑判決されたら執行されると思われがちですが、1993年以降、2008年以外は二桁執行されたことはないんですよね。
死刑判決を受けた人間が生き続けていることも恐ろしいですが、それを国民が意外と知らないというのも恐ろしいですね。
とりあえず、本作の3話は極端に描かれてはいても、
実際にあってもおかしくない
感じで、いかにもホラーという気がします。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(3話目の奥さんが殺されるシーンは見えないのに気持ち悪い。)
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