最近のホラーってゴア系、ゾンビ系、不条理な怨霊系ばっかりになってきた気がします。
ヒットが出て量産されちゃうとやっぱりレベルが下がりますね。この作品もリアルさはあるものの、量産感が否めませんでした。
デビッドと妻のエイミーを乗せた車は、高速を降りて、人気のない田舎道を走っていた。
息子を事故で亡くしたふたりの関係は冷め切っており、口を開けば口論が始まる。
それを避けたかったデビッドが、少しでも早く自宅へ帰ろうとしたのだった。
深夜のドライブはアライグマを避けたことで、さらに悪化の道をたどる。エンジンがトラブルを起こし、途中ガソリンスタンドで修理をしたが、ついには動かなくなってしまった。ガソリンスタンドに戻ってみたが、すでに修理工はおらず、ふたりは携帯も通じない山道に取り残されてしまう。
デビッドとエイミーは電話を借りるため、『パインウッド・モーテル』という名のモーテルへと立ち寄るが、フロントには誰もいなかった。やがて、奥の部屋からかすかに女性の悲鳴がしているのに気付くが、まるで何事もないかのように中年の男が現われる。
男はメイソンと名乗り、モーテルの支配人で、悲鳴は暇つぶしに観ていたホラー映画ということだった。電話は表に公衆電話があるが、修理工は先ほどのスタンドだけだから、翌朝やってくる修理工を待った方がいいということだった。
仕方なくモーテルに部屋をとったふたりは、ハネムーンスイートだと言われた部屋に入り、余計に気が滅入ることになる。古めかしい壁紙に、錆びた汚水が流れ出すバスルーム、埃の被った家具、そのどれもが幸せな気持ちとはほど遠かった。
そんな中、突如として凄まじいノックが響き渡る。デビッドがおそるおそる調べるが、廊下には誰もおらず、どうやら隣室の客の仕業のようであった。
だが、メイソンに苦情を言うように告げると、今夜の客はデビッドとエイミーだけだと言う。
やがてノックも収まり、やることもなかったデビッドは何気なしにテレビの横で埃を被っていたビデオをセットしてみる。すると、モニターに映し出されたのは、ホラー映画さながらに覆面の男たちが男女を惨殺するというものだった。
あまりの映像にショックを受けたデビッドが画面に見入っていると、おかしな雰囲気を感じる。殺人シーンは同じ部屋で行われているのだが、何故か見覚えがあるような気がするのだ。
妻の何気ない言葉に周囲を見回したデビッドは驚きの声を上げる。映像はいままさに自分たちのいるこの部屋で撮られたものだったのだ。悪ふざけだと願ったが部屋に隠されたカメラによって、その希望も絶たれる。
ふたりは次の犠牲者となってしまうのか?
真相がスナッフ・ムービーの撮影という作品としては、本当に普通レベルです。深夜にテレ東とか、フジテレビとかで流してそうだよなとか思います。
ただ、
最近のスナッフ系の作品としてはゴアシーンがなく、
サスペンス色が強いので血みどろとか苦手な方でも安心して観れるかと思います。逆に言うと、スプラッタ大好きなゴアゴアな人には勧められません。
内容としてもシチュエーション色が強いので、趣味と実益を兼ねているのはわかるんだけど、なんかモヤッとしたものが残ります。不快とかそういうことでなく、単純に消化不良感があります。
たとえば趣味と実益を兼ねているメンバーがやけにプロっぽく、軍人か特殊部隊なのかと思うような雰囲気なんですが、正体わからずじまいだったり。途中でビデオの買い手が出てくるんですが、捕まる気がしなかったりとか。
もっとも、地方に行くと、この宿ってどうやって生計立ててんだ? っていう宿あるので、そういう不思議さから作られた映画と考えるとリアルだとは思います。
あと、この映画のDVDには『もうひとつのオープニング』がメニューにあるんですが、自分としては、『もうひとつのエンディング』の間違いじゃないかと思うのもモヤモヤの原因かもしれません。その映像がオープニングだと、起きた出来事を後から語る形になるんですが、そういう感じには観えないんですよね。どうなんだろう?
オススメ度(10段階)……★★★
(さすがにここまで地味だと勧めづらい)
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