【死霊のえじき】

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2XXX年。科学者のサラは、恋人のミゲル、無線技師のマクダーモット、パイロットのジョンとともに調査を終え、施設へと戻る。すでに世界はゾンビで溢れかえり、人間ひとりに対して、ゾンビ40万人という比率にまで陥っていた。

施設では他にローガン博士、テッド、ローズとその部下の兵士たちが暮らしていたが、ローガンの研究が進まないことにいらだちを隠せなくなっていく。

ローガンは『バブ』と名づけたゾンビを飼いならしてみせたが、他の人間たちは驚きはしたものの、共存するには抵抗があった。

そんなある日、地下壕で研究用のゾンビの捕獲中、ミゲルのミスで兵士とミゲル自身がゾンビに噛みつかれてしまう。

あまりにも読みづらいあらすじしか見つからなかったので、久々に自分であらすじを書いてみました。

3作目にして、とうとう人間とゾンビの勢力が逆転。いつも不思議に思うんですが、隔離された施設で銃器も銃弾もある場合、1日数対ずつ倒しきった方が安全だと思うんですけどね。

普通はそういう環境にならず、武器に限りがあり、ゾンビは延々補充されるので、そうはならないですが。ヘリで島に飛べるなら、隔離された島で農作業すればいいのにとか思ってしまいます。

もちろん、そんな映画や作品はつまらないので、観たくはないですけどね。

この作品に対するロメロの評価もおかしく、【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド】を好きな人は原点として愛してくれる人、【ゾンビ】を好きな人はお祭り気分で楽しんでくれる人と言っているのに対し、この作品を好きな人は変人と言い切っています。

実際、前2作以上に残酷になると思っていたロメロは、間違いなく成人指定を受け、広告が打てないだろうと判断していたため、作品にお金をかけられなかったんだとか。

それは撮影にも響いていて、冷蔵していたはらわた用の肉が入っていた冷蔵庫の電源を何者かが切ってしまったため、本当に腐ってしまうという事態に。

しかし、撮影を延期する時間も費用もなく、その腐った肉を使用する羽目に。しかも、それを使うのはローズのシーンという悲惨ぶり。カット直後にキャストが腐臭を払うという動画まで残っています。

でも、この作品の最大の特徴はゾンビの『バブ』に尽きるでしょう。最近では知能のあるゾンビはそれなりにいますし、ロメロの作品でも【ランド・オブ・ザ・デッド】に明らかに知能を持ったゾンビが登場します。

ですが、完全にゾンビで

哀しい表情を浮かべた
ゾンビは『バブ』だけ

だと思います。感情を持ったという意味だと怒りを見せるゾンビは多々いるんですが、哀しい表情というのはほとんどないと思います。

【デイ・オブ・ザ・デッド】のベジタリアンゾンビが微妙な表情をしてはいますが、感情が残っている感じなので、ちょっと違うんじゃないかと。

また、悪役ととらえられがちな兵士たちも、言っていることは他のゾンビ作品であれば、ごく真っ当なことを言っているはずなのに散々な目に合されるという可哀想さも珍しい。

確かに乱暴ではあるし、最後は利己的になるので不快になるかもしれませんが、そうなった原因は科学者サイドにあるような気がします。

ちなみに主人公の女性科学者サラですが、実は【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド】のラストに出てくるハンターたちに取材をしているレポーターの娘だったり。設定ではなく、実の娘。

親娘2代に渡ってゾンビ映画に出るなんて、面白いですね。

オススメ度(10段階)……★★★★★
(レアケースな作品だからと言って、評価はあがりません)

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