ロンドンに暮らすショーンは、いい歳して人生の目標や目的を持たぬまま、親友のエドとパブに入り浸るばかりの冴えない毎日を送っていた。そんな彼に長年の恋人リズもついに愛想を尽かしてしまう。このままではいけないと自覚したショーンは、リズとヨリを戻すため、これまでのだらしない生活を改めようと決意する。ところが、ショーンが恋人のことで頭がいっぱいになっている間に、街にはゾンビが溢れ、生きた人間を次々と襲っていたのだった…。
allcinema ONLINEより。
ゾンビ・コメディの最高傑作。
【ゾンビランド】のような良作も出てきてはいますが、個人的にはこの作品を越える正統派ゾンビ・コメディはまだないと思います。
ゾンビ・コメディにありがちなただの悪ふざけとしか思えない学芸会ではなく、ストーリー展開自体はシリアス。
ただ、言動がコメディになってるだけなので、下手すればB級ホラー作品より真面目に作られています。
最近のゲームを見ると、そっくりだったり、似たようなシーンがあり、いわゆる『ロメロゾンビ』よりも、こちらの影響を受けているんじゃ? と思ってしまうほど。
特にゲーム【デッドライジング】は映画【ゾンビ】のゲーム版という訴訟を受け、勝訴していますが、舞台がショッピングモールなだけで、本作の影響の方が強いと思います。
普通はゲームのデザインで自由度が高いとはいえ、音楽ディスクを投げるという発想は浮かばないでしょう。映像的にもゾンビに囲まれる中、言葉で挑発しながら走り回るとか、似ています。
もちろん、パクリとか言ってるわけじゃなく、制作サイドは観たことあって、好きなんだろうなと。そんな話。
メインとなるのは、サイモン・ペグ演じるショーンと、ニック・フロスト演じるエド。最近で言えば、【宇宙人ポール】のコンビですね。
ちなみにサイモンとニックはリアルで友達で、ニックはサイモンに誘われて俳優になっているんですが、作品中でも仲がいい。
なんだかんだ言って熱血で面倒見のいいショーンが、空気を読めず、ろくなことをしないエドのおかげで苦労するという構図ですけどね。
多分、【ハングオーバー!】を観た人たちが観たら、アランがダブって見えると思います。
他にも繰り返しネタや対比ネタが多く、特に前日と初日の対比が面白い。
前日と同じことを初日に行うんですが、恋人のリズにフラれたショックで周囲の変化にまるで気づかない。
それこそ、「志村、うしろ~!」と叫びたくなります。
話だけ聞くと、くだらないホラーコメディのようですが、前述の通り、作りは真面目なので、ゾンビは比較的きれいですがリアル。
グロいシーンもあるので、ちょっと注意が必要かも。本当にグロいのはラストの方にちょっとだけですけどね。
そういえば、【学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD】という漫画でも風景的に書かれたコンビニ店員の名前が『才門』さんで、外見もサイモン・ペグだったのを思い出しました。
オススメ度(10段階)……★
(仲間のひとりが大人になったハリー・ポッターにしか見えません)
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