死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され業となり、その呪いに触れたモノは命を失い、新たなる呪いが生まれるという造語『呪怨』が題材のホラー。
本作はまだVHSベースの頃の作品で、【呪怨(Vシネ版)】と【呪怨2(Vシネ版)】で同じ時期に起きたことをオムニバス形式で描いています。
そのため、【呪怨(Vシネ版)】、【呪怨2(Vシネ版)】それぞれに同じ話が収録されています。
貞子と並び、Jホラーのクイーン化した伽椰子が生まれた第1作では、柳ユーレイが演じる生前の佐伯伽椰子が好きだった小林俊介が主要人物。
自分の教え子であり、伽椰子同様有名となった白塗りの男の子俊雄が登校してこないため、佐伯家に様子を見にいくところから始まります。
佐伯家の中は荒れ放題で、俊雄はいたものの、要領を得ないため、家で待ち続ける俊介に恐怖が襲いかかります。
また、オムニバス形式で、村上家、でんでん演じる刑事たち、不動産屋のストーリーも進行しているんですが、実は時系列順ではありません。
小林が佐伯家に訪れてるのは村上家のストーリーよりも数年前の話で、村上家が住んでいるのは旧佐伯家です。
コンセプトが笑ってしまうくらい霊を出すというものだったため、全体のオチとなる俊介のストーリーではなく、間に挟んだんだと思われます。
全体的にはストーカー癖のあった伽椰子が俊雄の担任として、好きだった俊介に再会してしまったことが非劇の始まり。
伽椰子の夫である佐伯剛雄がある疑念から妄想に憑りつかれた結果、起こした事件なんですが、
時系列を理解しながら状況を把握しないとわけがわからなくなる
かもしれません。
個人的にゾッとするのは伽椰子登場よりも、俊介がノートを発見して読み始めるシーン。
ボロボロのノートにびっしりと書き込まれた文字や絵が本当に気持ち悪いです。好きな娘の家に行って、あんなものを見つけたら急用を思い出しそうです。
そこから話が一気に進むターニングポイントなせいもあるんでしょうけどね。
その直後に電話を掛けてくる剛雄、有名な階段シーンへと続きますが、正直、観ている側にはなんでこんなことになったのかわかりづらいかも。
あちこちに細かい伏線が張ってはあるんですけどね。
ちなみにこの【呪怨】シリーズは、各作品とのリンクが地味に多いのも特徴。
村上家の娘、柑菜の話は【学校の怪談G】の『片隅』で、弟の強志と、栗山千明演じる剛の彼女、田村瑞穂に何があったかは【学校の怪談G】の『4444444444』で描かれています。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★★
(栗山千明もかわいいけど、三輪明日美もかわいいと思う)
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