【ひきこさん vs 口裂け女】

【ひきこさん vs 口裂け女】

ひきこさん VS 口裂け女 [DVD]

小学生の頃、大量殺害事件に巻き込まれて、10年間もの昏睡状態にあった美咲（岡本ちひろ）と瞳（藤田まい）が突然、意識を取り戻した。

だが、彼女たちの回復しつつある記憶には、その事件が「ひきこさん」によって引き起こされた事だった。

二人が入院する桜ヶ丘病院には奇妙な噂があった。

朽ち果てた閉鎖病棟に「口裂け女」が監禁されている・・・。

院長の娘であり、美咲と瞳の同級生だった香織（定塚奈子）は、看護婦の陽子（白川仁美）と二人の面倒をみる。

ある日の夜、病室に入ってくる裸足の女を見てしまう瞳。

錯乱して病室を逃げ出し、彼女はあの閉鎖病棟に逃げ込んでしまった。

行方不明となった瞳を探し、陽子も閉鎖病棟に来てしまい、彼女によって「口裂け女」が地上へ出てしまい、次々と殺人を繰り返す。

そして、「ひきこさん」から逃げる美咲と香織たちの前に「口裂け女」が現れたとき、誰も想像できない事実が明らかになるのだった！！.

公式より。

あの日本の都市伝説では有名な『口裂け女』と『ひきこさん』がバトルって、どう考えても【戦隊ものVS戦隊もの】みたいに戦いもしないんだろうなと思って視聴。

邦画ホラーはツッコミどころ満載ですが、ツッコミどころが多過ぎて、

どこからツッコミを入れればいいのかわからない。

まず10年間も昏睡状態になっていて、2人の家族の話が出てこない。意識を取り戻しても呼ばないって凄くないかと思う。もうそこからスタート。

治療費うんぬんなんて細かいツッコミどころじゃありません。

そしてまた、この作品も『カシマレイコ』ネタ。いや、もう満腹です。こんなに同じネタばかりなら、まだ『口裂け女』と『ひきこさん』が姉妹だったとか、実はもともと同一人物で分裂したとかの方がマシ。

怖いシーンと言えば、ひきこさんが病院にやってきて、瞳を襲うシーンくらい。にじりよって来るのが苦手な人なら怖いと思う。

ただ、しばらくはにじりよって来るだけなので、まだるっこしい。

しかも、その他のシーンは白昼堂々だったりするので、ひきこさんが

ただの酔っ払い

にしか思えない。あまりにもなので、普段1つしか入れない赤字が2つになりました。まあ、怪力なのがせめてもの救いですが。動き自体はCG版の【都市伝説物語 ひきこさん】に近いですが、あちらは遅いけど確実に追ってくるという怖さがありました。

こちらは逃げたと思ったらワープしてくるので、何でもありという興醒め感が。もっとも、これは『ひきこさん』だけでなく、『口裂け女』もそうなので、そういう演出が好きなんでしょうね。

そんな『ひきこさん』が腕を振ると、「ビシュッ！」と風切り音が。いや、こんなスピードで風切り音って……亀の動画にF1の音楽つけるくらいにシュールでしょう。

【ハーコン博士の映写室。】のレビューでも触れられてましたが、ドラマ中にもちょくちょく感動させようとしてるらしき悲しげな歌が流れるんですが、はっきり言って邪魔以外の何者でもない。

キモがネタバレしてしまうので書けない部分にもツッコミが多く、そもそも原因を作った人たちが馬鹿過ぎるし、ストーリー展開のために言動がチグハグになるのはダメだと思う。

あ、肝心の『口裂け女』と『ひきこさん』のバトルですが、【ウルトラマン】のようにクライマックスにちょっとだけあります。おそろしく地味な戦いですが。

キャットファイト的な戦いかと思ったら、かたや鎌で攻撃、かたや頭掴むだけという画的にも微妙な動きのない戦い。

ラストのセリフもそこまで一言も発しなかった相手に喋らせるのはやめて欲しかった。そこは回想シーンで伏線だったシーンを流してくれた方が良かった。

全般的に自分たちで台無しにしているように思える残念な作品。

オススメ度（１０段階）……★★★
（話とかどうでもよく、怖いもの見たさで見る分にはちょうどいいかもしれない）

ひきこさん VS 口裂け女 [DVD]