【エスケープ・ルーム(2019)】
1万ドルの賞金が懸かった体験型脱出ゲームの開催会場となったシカゴの高層ビルに、フリーターのベンや大学生のゾーイら6人の男女が集まる。
ゲームが始まると、彼らは部屋が巨大なオーブンに変わる灼熱地獄や天地がひっくり返る逆さま地獄といった、姿を見せないゲームマスターが仕掛けたトラップを必死に攻略する。
やがて彼らは、自分たちがさまざまな大惨事の生存者であることを知る。
シネマトゥデイより。
オープニングに凝縮されていて、ややそこで気が済んでしまった脱出系ホラー。
1万ドルの賞金がかかった密室から脱出するゲームのエスケープルームに参加した6人の男女。
参加者は何かわけありっぽいフリーターのベン、何かトラウマがありそうな女子大生のゾーイ、タフな印象を受ける女性アマンダ、裕福な資産家らしい黒人のジェイソン、トラックドライバーのマイク、ゲームオタクのダニー。
それぞれパズルを解いて部屋に来ているんですが、マイクだけはそういうキャラに見えません。
粗暴でバカっぽいとかではなく、あんまりそういうのに興味を持たなさそうなのでちょっと異質な感じ。
とはいえ、賞金が1万ドルなのでお金が欲しいならいてもおかしくないのかなって感じはするので、見ている分には違和感は感じません。
ゲーム大好きなダニーが喜々として勝手に説明を始めるんですが、ベンが外に出ようとして閉じ込められてることに気づきます。
ゲームが始まると、ダニーのせいであんまりハラハラドキドキという緊張感を感じないんですが、いきなりきな臭い感じに。
部屋がライトでオーブン化されていき、どう見ても生死に関わるレベルでヤバいです。
運営からはチュートリアルのようなものも、なんの説明もなく、最初からクライマックス。
なんとか脱出したものの、明らかに失敗したら死ぬのに、ダニーは演出だから死なないの一点張り。
半信半疑ながらも全員脱出できたことで納得する参加者たちですが、さすがに犠牲者が出てからは必死です。
そもそもが一部屋目はまだしも、優勝したら1万ドルのデスゲームなのに、ひとりじゃクリアできない仕掛けが多過ぎるんですよね。。
そんな矛盾を抱えながらストーリーが進んでいくんですが、まったくバラバラと思われた参加者たちに共通項があるのがわかります。
わかるというか、運営側に提示されるんですけどね。
そして運営の目的が推測できたものの、生き残るためにはゲームを進めるしかない参加者たちという展開。
続編の可能性を残すラストを考えると、クライマックスの対決はいらなかった気もしますが、それ以外は面白かったんじゃないかと思います。
続編を考えなければ、対決もあってよかったでしょうし。
ただ、個人的にこの雰囲気、何かに似てるんだよなあと思ったのが、【ファイナル・デスティネーション】と【CUBE】。
【CUBE】のメンバー構成で【ファイナル・デスティネーション】を撮ったらこんな感じだろうなという印象。
別にパクっているとか、モチーフにしてると言いたいわけじゃなく、
脱出系のテンプレが確立してきちゃったかな
と。
【エスケープ・ルーム】というタイトル自体、自分が知っているだけで3タイトルあるし、うち1作は【SAW】と【CUBE】をミックスしたという感想が多いですし。
個人的には【ホステル】と【ファイナル・デスティネーション】という印象でしたが。
そういう意味では脱出系ホラーは早くもテンプレ化が進んで似たような作品が続くような気がします。
何らかの差別化がされないと、厳しくなっていくジャンルかも。
この作品の場合、ストーリーはともかく、緩急つけて展開していくので飽きずに楽しめるんじゃないかと。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(ディスクの特典に収録されているアナザーエンディングと、前の参加者たちの映像もよかったです。)
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