悪夢探偵の京一(松田龍平)のもとに、悪夢で眠れないという雪絵(三浦由衣)がやってくる。
彼女の悪夢に登場する極端に怖がりな同級生の菊川(韓英恵)に、京一は世の中すべてを怖がり、彼の幼少時に自ら命を絶った母(市川実和子)のことを思い出す。
菊川を通して母の思いを知りたいと願う京一は、雪絵の夢に入ることを決意する。
シネマトゥデイより。
理解不能というか、粗いイメージがあり、あまり好きでないと言いつつ、何故か観てしまう塚本晋也監督のホラー作品。
コメディの時はシュールだけど、比較的わかりやすいんですけどね。なんだろう、個人的な印象で言えば、塚本作品って妄想を映像化した感じがするんですよね。
だから、
同じ妄想を出来る人だけが理解出来る恐怖
だと思うんですよね。水恐怖症の人にとって水は恐怖ですが、平気な人にとっては何が怖いのかわからないという感じ。
初めての続編になったこの悪夢探偵もそんな作品だと思います。
前作に比べれば映像的な恐怖は減りましたが、登場人物の異常性がやや増してきたため、想像力が豊かな人にはかなり怖い作品になってます。
また、このシリーズの特徴として、どこか子供の頃に夢見たヒーローもののような雰囲気があります。
悪夢を見た子供が「助けて! 悪夢探偵~!」って叫ぶとやってくる。でも、やってきただけで気が進まないどころか、積極的に断わるというやる気のなさ。
まあ、正義の味方ではないのでしょうがないんですけどね。
正直、今回は映像的な怖さより、その行動の後の展開を想像してしまうのが怖い。髪の毛がドアにはさまったままになっているのに静かになり、ドアの向こうにいるのか、悪夢だからこそ、常識ではありえないところから出てくるんじゃないかという恐怖。
何が一番恐ろしいかと言うと、雪絵は恐ろしい出来事が悪夢の中で起きていると認識していること。つまり、それは常識が通じないということなんですよね。
現実ならドアを閉めれば入ってこれませんが、悪夢であれば、鍵が開けられるかもしれないし、ドアをすり抜けてくるかもしれない、下手をすればもう背後にいるかもしれないわけです。
そんな状況を想像してしまうと、たまらない恐怖を感じます。もっとも、そんな想像する恐怖が塚本ホラーなんですけどね。
オススメ度(10段階)……★★★★★★
(想像できるかどうかが分かれ目)
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