【リアル鬼ごっこ(2015)】
リアル鬼ごっこ 2015劇場版
女子高生のミツコ(トリンドル玲奈)は、何者かに追われ、ふと気が付くと学校の教室にたどり着いていた。
一方、ケイコ(篠田麻里子)は知らない女性にウエディングドレスに着替えさせられ、何者かに追われる。
そして陸上部のいづみ(真野恵里菜)も迫りくる恐怖と対峙(たいじ)することとなり……。
シネマトゥデイより。
山田悠介の【リアル鬼ごっこ】を園子温が映画化。ただし、標的は佐藤さんではなく、女子高生。
なんだそれと思いつつも、予告のカオスさに興味を惹かれたので視聴した結果、詐欺もいいところ。
やっぱり、【TOKYO TRIBE】の失敗で懲りるべきでした。今回の感想は、ネタバレを含まざるを得ないので、ネタバレが困る人は戻るか、そっとブラウザを閉じてください。
正直、開始数分の虐殺シーンはとある作品を彷彿とさせるものの、これから始まる大虐殺を想像させるのでワクワクが止まりませんでした。
まあ、その直後からオカルトなのか、なんなのかわからない嫌な予感しかなるんですけどね。
とりあえず、冒頭で始めの主人公となるトリンドルの乗ったバスの前方で被害に遭ったはずのバスが消滅しているというやっつけ振りを突っ込んでおくとして、行動がメチャクチャ。
逃げ惑うトリンドルが行く先々に死体があるんですが、血まみれの服を脱いだかと思ったら、なんと死体から服を奪って生着替え。
徘徊していると、通学中の女子高生たちに遭遇するんですが、修学旅行に向かっていたはずなのに、何故か登校中の女子高生たちに声をかけられます。
パニックになっているトリンドルに対し、記憶喪失ということで受け入れているのに、何の心配もしない親友たち。
ちょっとした物忘れのレベルじゃないんですけどね。
というか、修学旅行でバスに乗ってきたのに、女子高生たちの通学時間に遭遇するって、何時の設定なんでしょう。
その後、学校を抜け出して、わけのわからないトークをして、学校に戻ったら、わけのわからない理由で虐殺開始。
どうやら学校中で起こっているらしく、みんな逃げ出すんですが、校舎の窓から撃ってくるスナイパーたちはやたらと優秀だし、なんかミサイルまで飛んでます。
予告編にもあるスパスパシーンもあるんですが、結局あのカマイタチみたいなのは兵器なんだか、オカルト的な何かなのか一切わかりません。
兵器だったら兵器だったで、冒頭シーンの意味がわからないんですけどね。
そして、逃げ惑った結果、交番に逃げ込むんですが、婦警がわけのわからないことを言い出します。
逃げてきて様子のおかしいトリンドル演じるミツコに対して、ケイコと呼び出し、制服を着ているのを結婚式の余興と尋ね出したり。
ここで、あらすじが完全にデタラメなことが発覚。一方、ケイコはどころか、ケイコはミツコのことでした。
鏡を見ると、ミツコの顔はいつの間にかケイコになっていて、ケイコの友達らしい婦警によって結婚式に連れていかれます。
っていうか、婦警は交番無人にして、勝手に結婚式にいく時点で世界観がおかしいんじゃないかと。
式場に着いたところで、余興と言ってたから友達の結婚式なのかと思ったら、花嫁がケイコ。
セリフから何から適当過ぎます。
その中にトリンドル編で友人だったアキがいて、彼女の助けで逃げ出すことに成功するんですが、その途中でまたキャラチェンジ。
言わなくともおわかりでしょうが、陸上部のいずみになり、マラソンか何かに参加することに。ここでも始めは練習中みたいなことを言っていたのに、何故かレースになってます。
しかも、いずみ編にいたっては、ほとんどただ走ってただけなので、面白くもなんともありません。
最終的に見終わっても、
【リアル鬼ごっこ】ではありません
でした。山田悠介の【リアル鬼ごっこ】ではないのではなく、【リアル鬼ごっこ】ですらありません。
園子温が原作を読まずに撮ったと言っているので、可能性がなくはなかったんですが、まさか名前から想像した『ぼくの考えたリアル鬼ごっこ』ですらないとは想像のはるか彼方です。
なんかもうメイド喫茶に行ったら、場末の風俗にいるおばちゃんがセーラー服姿で出てきたくらいのガッカリ感です。
作品そのものは園子温らしいクレイジーな描写を楽しめるので、【リアル鬼ごっこ】としてではなく、オリジナルとしてだったら、もうちょっと印象が違っていたかもしれません。
みどころはトリンドル含めた女子高生のパンツと、トリンドルと篠田麻里子のブラ姿、とある役で登場する斉藤工のパンツ一丁での『やらないか』ポーズくらいですかね。
ホラーファン限定で、切り株シーンがなかなか面白いかも。
オススメ度(10段階)……★★
(園子温の原作ものは低評価の定番になりそうです。)
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