森林伐採の多国籍企業が、バイオ技術を用いて植林の増益を画策する。しかし実験は失敗し、その影響を受けて多数の従業員や環境団体の人々がゾンビと化す。生き残った人々とゾンビのサバイバルが始まる。
「キネマ旬報社」データベースより。
ジャケットは樹に操られるネタ系ホラーにしか見えませんが、実際は手堅い印象を受けるB級ゾンビホラー。とある企業が利益を追従するあまり、植物の成長を異常なレベルで促進する薬品を開発。それが人間の体内に入るとゾンビ化してしまうという設定。
人里離れた山奥で過激な環境団体が抗議のために樹に釘を打ち込んでいたため、作業員の1人が大怪我をして死亡。ゾンビ化したことで仲間たちに襲い掛かるという導入。
主人公はその企業の何も知らない御曹司で、連絡がつかなくなった作業場を確認しに行かされ、そこでゾンビと遭遇。生き残りの1人に連れられて、小屋で作業員と環境団体のメンバーと合流するハメに。本来ならいがみ合う同士なわけで、初めから対立の構図が出来上がってます。
もっとも、作業員側に何かにつけてはイチャモンをつけるトラブルメイカーがいて、余裕で仲間を裏切ります。
おかげで良い奴が死んでいってしまい、どんどんジリ貧に。いつの間にか隔離され、出ようとすると会社のヘリが口封じに攻撃してくるという前門の虎、後門の狼な状況に。
突破するにも300キロもあるため、車がないと無理らしい。300キロ歩くのと、ゾンビがうろつく中を車を探しに戻るんだったら、300キロの方がいいと思うんですが、全員が車を探しに戻るのに同意。
この辺り、ちょっと行動がメチャクチャな気がします。パニック中で判断力が低下しているのかもしれません。
後半になると、別の作業グループと合流するんですが、こっちはこっちでゾンビ撃退に成功している反面、王様気取り&【ゾンビ】や【サバイバル・オブ・ザ・デッド】のようにゾンビを玩具にしています。
もうこの辺りはゾンビへの恐怖より、
エゴ丸出しの人間たちがいかに凶悪か
という作品になってます。
全編通して観ると、ストーリー展開は意外とまとも。ただ、ヒロインと前述のトラブルメイカーがあまりにも不快で、感情移入しやすいまともな人物は死んでいくため、評価されづらい不遇の作品でした。
クライマックスがちょっと駆け足なのが残念。
オススメ度(10段階)……★★★★★
(普通な人は死ぬという現実)
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