【神の左手 悪魔の右手】は楳図かずお原作のホラーなんですが、他のDVDで予告編を観ても、話が思い出せなかったんですよね。しかも、楳図マンガはすぐに絶版になって手に入らづらくなってしまうため、定価以上で買う気にもなれず、DVD待ちしてた作品です。
実写版のスト-リーは原作を再構成し直したもので、視点も想ではなく、姉のイズミが中心になっています。原作での主人公の想は、いきなり首から血を噴き出し、開始早々入院。
想は人の悪意を感じとり、悪夢として見てしまう上、場合によっては同じ痛みを感じてしまう。姉のイズミはそんな想の苦しむ姿を見て、夢に出てくるという殺人鬼を捜す決意をする。はたしてイズミは殺人鬼を見つけ、想を救うことが出来るのか?
そんなストーリーなんですが、原作版はもっとメチャクチャみたいです。原作版だと想が『ヌーメラウーメラ』という存在に変身したりして、悪を滅ぼすんですが、ところどころ楳図マンガの異常さが。【漂流教室】なんかでもそうですが、独自の子供の理屈で大きなハサミを人の胸に突き刺したり、そういった残酷な行動を平然ととってくれます。
【漂流教室】とか、おかしくなった先生が他の先生みな殺しにするんですが、その理屈がメチャクチャでした。ちなみに窪塚が出てたドラマ版【ロング・ラブレター#漂流教室】みたいな良い話ではないです。
まあ、そんな楳図作品に漏れず、この作品もクライマックスの対決シーンはある意味すさまじいです。なんかもうストーリーとかどうでもよくなります。途中の話は単にスプラッタシーンを見せたかったんだよね? と問いかけたくなるくらい。
でも、この作品を観ていて不思議に感じたのが、なんで斧で惨殺されたり、包丁で刺されたりするよりも、ハサミで切られる方がはるかに痛々しい感じがするんだろう?ってことでした。
斧の場合、死に方が作り物くさいから別として、リアルさとか身近さという点では包丁でも同じくらいの痛々しさを感じてもいいと思うんですよ。本当に不思議ですね。
あ、ちなみにホラー好きでも、ケーキ好きな人や、食事中は決して観てはダメな映画でした。
オススメ度(10段階)……★★
(退屈しのぎ程度)
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