20世紀末、アメリカ。大爆発を起こした惑星から発せられた特殊な光線により死者が甦り、生者へと襲いかかり、大パニック状態が起きていた。
フィラデルフィアのスラム街、虐殺されたプエルトリコ人の死体が置かれている地下室に足を踏み入れたSWAT部隊のロジャー(スコット・H・ラインガー)は、同じく隊員で黒人のピーター(ケン・フォーレ)と共に、死者が生者を襲うという異常な光景を目の当たりにしたロジャーとピーターは、テレビ局で働いている友人ステファン(デイヴィッド・エンゲ)とその恋人フラン(ゲイレン・ロス)と共にヘリコプターで逃れるが、地上では死者たちが生者の肉を求めて行進を続けている。
4人は巨大なショッピングセンターの最上階の小部屋に陣取り、武器と食料を確保するのだが、危機は蘇った死者だけでなかった。
gooより抜粋(一部修正加筆)。
ジョージ・A・ロメロの最も有名なゾンビ映画。この作品で『ゾンビ』という名前を世間に認知させることに成功しています。
もっとも、原題は【Dawn of the Dead(ドーン・オブ・ザ・デッド)】で、ゾンビではないんですけどね。バージョンも多く、それぞれ結構な違いがあるようですが、日本版は劇場公開版も、テレビ放映版もかなり異質です。何故か日本だけは惑星爆発説が異常にプッシュされています。
同名のリメイク作品とは異なり、ショッピングモール内にもゾンビは徘徊していて、出入りしている場所を隠して、ゾンビたちに気づかれないようにしたり、ガラス越しに誘導して囮になったりと地味な努力が面白いです。
当時の風刺としては、略奪者として現れるヒッピーたち。真意はわかりませんが、生産に寄与することなく、消費している生き方を風刺していると言われています。
その中で気になる人物が一人いて、ショッピングモールを襲撃していてゾンビに襲われている中、何故か血圧を測っていて食われてしまう男。彼はいったい何故そこまで血圧にこだわっていたのか謎でたまりません。
結局、ここでもやはりゾンビよりも人間の方が恐ろしいという流れになるんですよね。
ロメロって人間が
嫌いなんじゃないか
と思ってしまいます。
また、古い作品独特のBGMによる演出が素晴らしく、画面を見なくても何となく流れが表現されています。特にクライマックスにケン・フォリー演じるピーターが反撃に出た瞬間、BGMが変わるのはわかりやすい。
昔の映画は【ジョーズ】のように、この音楽が流れたらジョーズが来るシーンとかわかるので面白いですよね。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★★
(テレビディレクター役でロメロが出ています)
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