父の墓参りの途中、バーバラと兄のジョニーはゾンビに襲われる。
兄はゾンビによって殺され、恐怖と悲しみの中バーバラは近くの民家に立てこもる。
民家には黒人青年のベンのほか、若いカップル、中年夫婦と大怪我を負ったその娘が集まってくるが、外部との連絡が取れない中、周囲は生ける屍の群れに取り囲まれていた。
バーバラたちはテレビを通して、甦った死者たちが人間を襲って食い殺していることを知り、なんとか脱出を試みるが・・・
wikiより。
【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記】ではなく、モノクロなオリジナル盤。去年まで『死霊創世記』はデジタルリマスターか、カラー版みたいな意味で、トム・サヴィーニ版も【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド】だと思っていたのは内緒です。
【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記】を先に観てから、オリジナルを観ると、
展開はほぼ同じなのに全然違う作品。
展開ほぼ同じと言っても、ヒロインのバーバラと、黒人のベンのキャラクターと、クライマックスからラストの流れが全然違います。
【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記】の方が衝撃的で残酷ですが、オリジナルの方がじわじわと追い詰められ、ラストの空しさははるかに大きい。
ジョージ・A・ロメロの作品は全般的に当時の社会を風刺しているので、この作品でも黒人が差別されていて、女性は弱々しく描かれているのも特徴。
バーバラにいたっては芯の強い女性でもなんでもなく、単に小屋に逃げ込んだお嬢様で、悲鳴を上げる係です。
いまどきのホラーは女性が強くなって、大抵女性が生き残るようになっていますが、見事な弱さです。
ホラー映画のヒロインというよりは、探偵ドラマのヒロインに近い配役かもしれません。
ストーリー展開は墓で襲われて小屋に逃げ込むが、そこにもゾンビがやってくるという流れで、籠城するか、脱出するかで揉めまくってトラブル連発。
最近のゾンビが大挙してくる映画に慣れてしまうと、逃げ切れそうに思えてしまいます。特にこの頃のゾンビは走らないので、囲まれなければなんとかなりそう。
逃げる当てがないから意味ないですけどね。
【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記】を観たことある人にとっては、クライマックスからラストの流れが結構衝撃的だと思います。
もっとも、最終版のさらに付け足したラストはあまりにも蛇足で、違った意味で衝撃的ですけどね。
ゾンビ好きは観た方がいいですが、そうでないなら【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記】の方が楽しめると思います。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(ある事情からパブリックドメインになっているため、字幕なしなら動画共有サイトで観れるかも)
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コメント
久しぶりに原点に戻るのもいいですね。
この頃のゾンビたちは夢遊病者のようにのんびり歩いてて最近のゾンビよりもゆったりしてるのが最高です。ウォーキングデッドでも早歩きのゾンビが出てきてるのでそのうちバイオのように全力疾走のゾンビがでるのも時間の問題ですね。苦笑
>しーどさん
コメントありがとうございます。
超久々にモノクロ映画を見ました。
リメイクの方の【ドーン・オブ・ザ・デッド】にはめちゃくちゃ早いゾンビいますよ。
下手すると車に追いつくレベルのダッシュを
かまします。
ロメロは早いゾンビを認めてないので、今後も
ロメロのゾンビは遅いんでしょうけどね。