狂信的クリスチャンの母親から厳しい教育を受け、学校では周囲から疎外されている女子高生キャリー(クロエ・グレース・モレッツ)。彼女は、激しい興奮状態に陥るとある能力を使うことができるテレキネシスだった。それを誰にも打ち明けることなく、キャリーはつらく寂しい日々を送っていた。そんな中、ひょんなことから彼女は女生徒たちの憧れの的であるトミーとプロムパーティーに参加することに。喜びに浸るキャリーだが、その裏では彼女への残酷ないたずらが計画されていた。
シネマトゥデイより。
スティーブン・キング原作で、ブライアン・デ・パルマのオリジナルから30年以上経ってのリメイク。ちょっと最近、リメイクや、時間の開いた続編が多過ぎないかと思います。
リメイクに関しては、著作権の保護期間が切れたからとかならわからないでもないですが、アメリカの場合は法人が著作権持っている場合、保護期間が切れることがあるのかという状況なので、そうそうないでしょう。
そう考えたら、同時期にリメイクや続編が大量発生するのは、単純にビジネス的な採算の問題としか思えません。
この作品もその例に漏れず、名作である【キャリー】を人気の女優クロエ・グレース・モレッツが演じることで売り上げを見込んだのでしょう。
実は3度目の映画化らしいですが、日本に流れてくることすらない2作目に比べれば、まだ全然マシなんでしょうが、やっぱり何か違う。
オリジナルのキャリーがあまりにも薄幸そうな容姿だったのに対し、クロエはちょっと健康的過ぎます。
家では宗教にのめり込んでいる母親に偏ったしつけを受け、学校ではいじめに遭う。その結果、たまり溜まったものがプロムで暴走するというのがオリジナル。
それが本作では過ちを犯した母親が、それでも娘を愛せるかと思ったが愛せない。学校でいじめに遭うことに変わりはないですが、相関図がすごく雑。
そして、ここが大きい違いなんですが、キャリーが途中から超能力を自覚しています。
そのおかげで母親が絶対的な支配を出来ておらず、ちょくちょく反撃をくらって、逆に怯える側になってしまったり。
また、母親の過去の出来事の描写のでせいで、キャリーは超能力者じゃなく、悪魔が母親に産ませた悪魔の化身なのかと思わされます。
そういう話ならそういう話で面白いと思うんですが、それなら
【キャリー】じゃなくていいかな
という気がします。
逆に言えば、オリジナルの【キャリー】を観たことがなければ、そういうイメージがない分、【クロニクル】のような感覚で観れるので面白いかもしれません。
なんにせよ、本作のキャリーは追いつめられて暴走した可哀想な少女ではなく、自我と力に目覚めた少女が幸せの絶頂から突き落とされて、自分の意志で虐殺をするという嫌な奴という印象でした。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(リメイクだとこういうデメリットがありますよね)
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